ウエストエクスプレス銀河は、予約を取るのが大変な人気の寝台列車です。 でも実は、この記事で紹介するやり方を実践すると、誰でも簡単に豪華な鉄道旅を楽しむことができます。
というのは、事前の準備が大切だから。実際に乗ってきたので、ノウハウを紹介します。
1. ウエストエクスプレス銀河とは?
WEST EXPRESS銀河は、JR西日本が運行している観光列車です。 季節ごとに運行ルートを変えて、週に2往復程度運転されています。 コンセプトは「気軽に鉄道の旅を楽しめる列車」。 車両の外観は「瑠璃紺色(るりこんいろ)」という深みのあるブルーで塗装され、この色は「西日本が誇る美しい海や空」を表しているそうです。
車体は、国鉄時代に製造された117系を観光列車としてリノベーションしたもの。 「WEST EXPRESS 銀河」という名前の由来は、西日本エリアを宇宙に、点在する魅力的な地域を星になぞらえて、これらの星々を結ぶ列車という意味が込められています。
春〜夏の期間は「山陰コース」として京都駅~出雲市駅間で、秋〜冬の期間は「紀南コース」として京都駅~新宮駅間で運行。途中駅では短い観光や「おもてなし」を楽しむことができるのも魅力の1つです。 車内には、ファミリーキャビン・プレミアルーム・女性専用車等の様々な座席やラウンジスペースがあります。
無料の元動画はこちら (日本語字幕)
今回は、グリーン車のファーストシートという半個室で京都駅から和歌山県の新宮駅まで(紀南コース)を一人旅。写真付きで紹介します。
2. ウエストエクスプレス銀河の座席の種類
グリーン個室(プレミアルーム)
WEST EXPRESS 銀河は短い6両編成で、6号車にはグリーン個室のプレミアルームが設置されています。鍵付きの完全個室だから安心!
プレミアルームは1人用が1室と2人用が4室の合計5室。2人用の個室は1人では利用することができません。
ノビノビ座席(クシェット)
5号車は、ノビノビ座席(愛称:クシェット)と呼ばれる最安の寝台席。座席ごとに個別の照明や小物入れが付いてます。
かつての簡易寝台のような相部屋ですが、すみずみまで清掃されていて、とても清潔です。
車いす対応座席(クシェット)
こちらは、車いす対応の座席。クシェットの定員は、4人1部屋が4部屋と、2人用の車いす対応が1部屋、合計18人。
車いす対応座席の真隣には、バリアフリートイレと洗面台。ベビーチェア・ベビーベッド・着替え台も備え付けてあって便利!
フリースペース
4号車は全体が「遊星」という名前のフリースペースです。車内には他にも複数のラウンジスペースがあります。
フリースペースでは飲食してOKです。4つあるボックス席のテーブルには将棋盤やチェス盤、碁盤が刻印されていておしゃれ!
コンパートメント(ファミリーキャビン)
3号車には家族使用できるファミリーキャビンが2部屋あります。3〜4人用の広々とした部屋です。
その隣は、最安のリクライニングシート席。リクライニングシート席は安いですが残念ながらフルフラットにはなりません。
女性専用車
2号車は女性専用車。クシェットとリクライニングシートの2タイプの座席から選べます。
女性の一人旅でも安心ですね。なんと、パウダールームも用意されています。
グリーン車指定席(ファーストシート)
そして1号車が今回筆者が利用したファーストシートです。ドアや鍵はありませんが、通路側のカーテンを閉めると半個室になります。
3. ウエストエクスプレス銀河の料金・値段
ウエストエクスプレス銀河の料金は、往復運賃の交通費(京都駅から新宮駅までファーストシート)とホテル1泊分の宿泊費の合計で36,500円でした。
利用する区間・座席・ホテルによって値段は変わります。ぜひ、ご希望に沿うものがあるか、公式サイトのパンフレットをチェックしてみてください。
4. ウエストエクスプレス銀河の予約方法
ウエストエクスプレス銀河のきっぷは、JR西日本のネット予約サービス「e5489」あるいはJR各駅の「みどりの窓口」で、乗車日の1ヶ月前の同じ日の午前10時から購入できます。
ウエストエクスプレス銀河の予約手順は、公式サイトの予約ページから座席の種類を選び、希望の区間・乗車日・乗降駅を選ぶだけ。空席があれば検索結果に出てきます。
日本旅行社の公式サイトに記載されている予約用電話番号から電話予約も可能。乗車日別に予約開始日が決まっていて、朝10時から受付スタートです。
個人的には電話予約の方が速いのでおすすめですが、いきなり電話しても希望の席は中々取れません。あらかじめ予約開始日時を確認して臨みましょう。
5. ウエストエクスプレス銀河のルート
ウエストエクスプレス銀河の紀南ルートは片道約12時間(21:15京都駅発、翌朝9:37新宮駅到着)の鉄道旅。315kmの行程をゆっくり進みます。
6. 新宮駅へのアクセス・行き方
新宮駅へのアクセスは、南紀白浜空港からリムジンバスで約2時間半です。
ただし、南紀白浜空港はJALしか運行していないので、ANAで行く場合は、名古屋の中部国際空港(セントレア)からバスと電車を乗り継いで6時間かかります。
新宮駅の基本情報
名称
JR西日本・JR東海 新宮駅(しんぐうえき)
住所
〒647-0020 和歌山県新宮市徐福2丁目1
アクセス
南紀白浜空港からバスでおよそ2時間30分
7. West Express 銀河のレビュー・写真
ウエストエクスプレス銀河は6両編成で、様々な種類の座席や個室、ラウンジを備えています。 夜の9時15分、京都駅から出発!
こちらが1号車グリーン席のファーストシート。夜行列車の場合、座席をベッドとして使うので、1人分の料金で2席を利用することができます。
座席には、枕とベッドシーツとブランケットが1つずつ置いてありました。車内は空調が効いているので暑すぎず寒すぎず快適です。
ファーストシートには鍵付きのドアはありませんが、カーテンを閉めると半個室になります。
自分専用のテーブルとかわいい星形のランプがあるのがこのファーストシートの特徴。 足元も十分なゆとりがあって広々。
電源コンセントとUSBポートが2つずつ付いているのはありがたいですね。決して速くはないですが、無料Wi-Fiも使えます。
座席の背もたれを倒してベッドシーツを敷くことでベッドとして使うこともできます。ベッドシーツはしっかりアイロンがかかっていて清潔。
いかにも寝台列車っぽい見た目に変身しました。ワクワクしますね!
WEST EXPRESS銀河オリジナルのお弁当は品数豊富で美味!途中駅では短い観光や駅員さんたちによる地元の「おもてなし」を楽しむことができます。
WEST EXPRESS 銀河の紀南コースは和歌山県の海沿いを走るので、大きな車窓から見える早朝のオーシャンビューの絶景が見事です。
8. WEST EXPRESS 銀河のメリット・デメリット・口コミ
WEST EXPRESS 銀河のメリット
実際に乗ってみて良かった点は以下の通り。
WEST EXPRESS 銀河のデメリット
一方、筆者が感じた良くなかった点は以下の3つ。
WEST EXPRESS 銀河の口コミ
West Express銀河に乗車した利用者の口コミ・評価は、比較的良好なものが多かったです。ネットで見つけた口コミはこんな感じでした。
- 値段は少し高かったけど、乗れて本当に良かった。夢のような1日になりました。
- 昔の国鉄時代の新快速車両をここまで改造するとはすごいと感動。
- 夜行列車の旅情を手軽に味わえる貴重な列車。
- 個室を選択。シートを倒すとベッドになるが、2人で寝るには狭かった。
皆さん、満足度の高い経験になったことがわかりますね。
9. WEST EXPRESS 銀河の最新情報
最近、WEST EXPRESS銀河の片道切符の購入も可能になりました。これによって、より気軽に安価で観光列車の旅を楽しめるように!価格重視の方は今がチャンスです。
(以前は、往復の交通費と1泊分のホテル宿泊費がセットになった割高なパッケージ料金でしか購入できませんでした)
10. WEST EXPRESS 銀河の体験まとめ
洗練されたデザインの電車と美しい車窓からの景色に大満足!素敵な鉄道旅になりました。皆さんも非日常的な経験をしたい時にいかがですか?
今回の旅の情報は、トラベル・アローン・アイデアのYouTube動画の概要欄にも記載したので、もしよろしければご覧ください。 [無料の元動画はこちら (日本語字幕)]
11. WEST EXPRESS 銀河に関するよくある質問
最後に、総括として、WEST EXPRESS 銀河に関するよくある質問について回答します。
- WEST EXPRESS銀河は、JR西日本が運行している観光列車です。季節ごとに運行ルートを変えて、週に2往復程度運転されています。コンセプトは「気軽に鉄道の旅を楽しめる列車」。車両の外観は「瑠璃紺色(るりこんいろ)」という深みのあるブルーで塗装され、この色は「西日本が誇る美しい海や空」を表しているそうです。車体は、国鉄時代に製造された117系を観光列車としてリノベーションしたもの。
「WEST EXPRESS 銀河」という名前の由来は、西日本エリアを宇宙に、点在する魅力的な地域を星になぞらえて、これらの星々を結ぶ列車という意味が込められています。春〜夏の期間は「山陰コース」として京都駅~出雲市駅間で、秋〜冬の期間は「紀南コース」として京都駅~新宮駅間で運行。途中駅では短い観光や「おもてなし」を楽しむことができるのも魅力の1つです。車内には、ファミリーキャビン・プレミアルーム・女性専用車等の様々な座席やラウンジスペースがあります。
- 「WEST EXPRESS 銀河」の料金体系は、JRセットプラン旅行代金の場合、基本料金に発着地別・利用座席別・宿泊施設別の差額を調整した金額となります。紀南コース(京都駅〜新宮駅間)で往復銀河(ファーストシート)3日間(車中1泊+ホテル1泊)を利用した場合、かかった費用はホテル代込みで合計36,500円でした。ただし、利用する座席や宿のクラスで金額は変わります。
例えば、山陰コース(京都駅~出雲市駅間)で往復銀河利用3日間(車中2泊)の場合、大人1人のコース基本代金は40,100円です。片道あたりの追加料金は、普通車指定席(リクライニングシート)、ノビノビ座席(クシェット)、コンパートメント(ファミリーキャビン)の場合は追加料金無し、グリーン車半個室指定席(ファーストシート)がプラス4,510円、個室(1人用または2人用プレミアルーム)の場合はプラス7,500円になります。
- WEST EXPRESS 銀河は、4月~8月の期間は「山陰コース」として京都駅~出雲市駅間で往復夜行列車として運行されます。 また、9月~翌年3月の期間は「紀南コース」として京都駅~新宮駅間で運行されます。
山陰コースは夏季に運行されるため、日の出の時刻が早く、車窓からの明るい景色を長い時間楽しむことができます。一方、冬季の紀南コースは、列車が和歌山県の海沿いを走るため、オーシャンビューを楽しめるのが魅力です。
- WEST EXPRESS 銀河の乗車予約は、2020年の運行開始当初は抽選制で、倍率は50倍ほどでした。しかし、2021年より「WEST EXPRESS 銀河」の予約方式は先着順に変更となりました。
現在は、予約開始日時は日本旅行社の公式サイト上で乗車日別に掲載されています。
- 「WEST EXPRESS 銀河」の停車駅・時刻表は、山陰ルートの下り列車(京都駅発、出雲市駅行き)の場合は、京都駅(21:15発)、新大阪(22:07着・22:17発)、大阪(22:21着・22:28発)、三ノ宮(22:50着・22:51発)、神戸(22:53着・22:55発)、西明石(23:12着・23:15発)、姫路(23:48着・翌日0:42発)、生山(6:02着・6:34発)、米子(7:48着・8:18発)安来(8:26着・8:28発)、松江(8:45着・8:57発)、玉造温泉(9:04着・9:05発)、宍道(9:16着・9:17発)、出雲市(9:31着)です。山陰ルートの上り列車(出雲市駅発、京都駅行き)の場合は、出雲市(16:09発)、宍道(16:22着・16:23発)、玉造温泉(16:32着・16:33発)、松江(16:45着・16:51発)、安来(17:08着・17:34発)、米子(17:43着・17:47発)、根雨(18:25着・18:57発)、備中高梁(21:25着・22:00発)、神戸(翌日5:44着・5:45発)、三ノ宮(5:48着・5:49発)、大阪(6:10着・6:12発)、新大阪(6:16着・6:17発)、京都(6:43着)です。
「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コースの下り列車(京都駅発、新宮駅行き)の停車駅・時刻表は、京都(21:15発)、新大阪(22:10着・22:13発)、大阪(22:17着・22:19発)、和歌山(23:42着・翌日0:40発)、串本(6:50着・8:00発)、紀伊勝浦(9:05着・9:10発)、新宮(9:37着)です。紀南コースの上り列車(新宮駅発、京都駅行き)の場合は、新宮(13:02発)、紀伊勝浦(13:25着・13:30発)、太地(13:42着・13:45発)、古座(14:20着・14:23発)、串本(14:31着・15:07発)、周参見(15:46着・16:04発)、白浜(16:26着・16:27発)、紀伊田辺(16:48着・16:49発)、御坊(17:23着・17:24発)、海南(18:02着・18:22発)、和歌山(18:33着・18:44発)、日根野(19:28着・19:31発)、天王寺(20:03着・20:05発)、大阪(20:16着・20:17発)、新大阪(20:21着・20:22発)、京都(20:53着)です。停車駅・時刻表は私が利用した時から少し変更されましたが、この記事に記載した停車駅・時刻表は、変更後の最新のものです。
皆さんの旅行のアイデアの参考になれば幸いです。